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音楽フロンティアみなと 再発見コンサート実行委員会

Author:音楽フロンティアみなと 再発見コンサート実行委員会

南葵楽堂の記憶:
麻布飯倉の(紀州)徳川邸にあったわが国初の音楽専用ホール、そこに併設された南葵音楽文庫についての情報を順次掲載しています。

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「麻布飯倉 南葵楽堂の記憶」第2回コンサート 演奏者プロフィール

来年2月1日のコンサートの出演者が決定しました!



●広瀬 奈緒 ひろせ・なお (ソプラノ)
広瀬奈緒2003年英国王立音楽大学古楽科を上級ソリスト・ディプロマ(国家演奏家資格)を得て首席で卒業。在学中、数々の学内コンクールで受賞する。当地でヘンデル、バッハ、モーツァルト、シューベルト、ブリテン、ウォルトン等のソリストとして活動。在英中に結成した古楽アンサンブル《ラ・スフェラ・ムジカーレ》として、ヨーロッパ、日本各地で演奏し、ブルージュ国際古楽コンクール・アンサンブル部門で名誉奨励賞を、山梨の古楽コンクール・アンサンブル部門で第3位を受賞。帰国後もソリストを務めると同時に、キャノンズ・コンサート室内合唱団、モーツァルト・アカデミー・トウキョウ、BCJなどのメンバーとして活動。07年2月にはハクジュ・ホールにてデビュー・ソロ・リサイタルを開き、好評を博す。英語の美しい発音と深い表現力には定評があり、古楽のフィールドでの新しい旗手として意欲的な活動を展開している。第18回山梨古楽コンクール・ソリスト部門にて奨励賞受賞。《ラ・スフェラ・ムジカーレ》のデビューCD「バロックな対話」を08年秋にワオンレコードよりリリース。

●辰巳 美納子 たつみ・みなこ (チェンバロ)
辰巳美納子東京藝術大学チェンバロ科卒業、同大学院修了。1991年第5回古楽コンクール最高位及び第3回栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。オランダ政府給費留学生としてアムステルダム音楽院に学び、オランダ国家演奏家資格を得て卒業。チェンバロを山田貢、鈴木雅明、A. アウテンボシュ、G. レオンハルトに師事。また、伴奏法を故・H. ピュイグ=ロジェ、オルガンを鈴木雅明、フォルテピアノをS. ホッホランドに師事し、あわせて学んだ。NHK-FM『FMリサイタル』、『名曲リサイタル』出演。現在は、オランダでの演奏会や国内でのソロ活動の他、ソリスト及び通奏低音チェンバロ、オルガン奏者として、新日本フィル、バッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・アンサンブル金沢、東京シティ・フィル、名古屋フィル、大阪フィル、神戸室内合奏団、東フィル等、全国主要オーケストラの演奏会に多数出演。G. ボッセ、H. ヴィンシャーマン、P. シュライアー、R. ヴェルテン、G. Chr. ビラー(ライプツィヒ聖トーマス教会カントル)をはじめ多くの指揮者、共演者から厚い信頼を寄せられ、その表現豊かな演奏は常に高い評価を受けている。CD「ヘンデル:メサイア/バッハ・コレギウム・ジャパン」「ヴィヴァルディ:四季/オーケストラ・アンサンブル金沢」に参加している。

●小林 瑞葉 こばやし・みずよ (ヴァイオリン)
小林瑞葉桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部演奏学科、東京藝術大学音楽学部器楽科を経て、東京芸術大学大学院修士課程修了。ヴァイオリンを藤本久実、江藤俊哉、江藤アンジェラの各氏に、バロック・ヴァイオリンを若松夏美氏に師事。古楽器によるアンサンブルやオーケストラでの活動のほか、J. S. バッハの無伴奏作品の奏法研究と演奏に継続的に取り組んでいる。昨年5月より古楽情報誌「アントレ」に「バッハ無伴奏の対位法表現と運指」を6回にわたって連載、今年2月から7月まで自由学園明日館にて同連載のレクチャーシリーズを開講した。来年の3月19日(木)、磯山雅氏企画の演奏会「バッハの宇宙~シャコンヌの饗宴」においてJ. S. バッハの無伴奏パルティータを演奏する予定。また4月17日(金)には、自身3回目となる無伴奏リサイタルを日本福音ルーテル東京教会にて開催の予定。

●長岡 聡季 ながおか・さとき (ヴァイオリン)
長岡聡季東京藝術大学付属高校、同大学、大学院室内楽科修士課程を経て、現在室内楽科博士後期課程在学中。オリジナル楽器奏者としてバッハコレギウムジャパンのアメリカ公演、オーケストラシンポシオン、オーケストラリベラクラシカ、レボレアードなどで活動。モダン楽器でも弘前バッハアンサンブルのコンサートマスターとしてヨーロッパ・ロシア公演参加、東京シティーフィル客演首席奏者など各地のオーケストラでコンサートマスターを務めている。03年10月、TOMATOフィルとメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲を共演。05年7月東京でデビューリサイタル。06年6月青森でリサイタル。06年9月と08年9月シューベルトをテーマとしたリサイタルを開催。磯恒男、高橋孝子、大谷康子、若松夏美、岡山潔、松原勝也の各氏に師事。

●深沢 美奈 ふかざわ・みな (ヴィオラ)
深沢美奈1993年、第3回日本室内楽コンクール入選。1994年、同声会主催による東京藝術大学卒業生演奏会に出演。1995年、東京文化会館新進音楽家デビューコンサートに出演。1997年、東京文化会館小ホールにてヴィオラジョイントリサイタルを開催。同年、東京芸術大学を経て同大院を修了。中馬敬子、浦川宣也、河合訓子、菅沼準二の各氏に師事。バロックヴィオラを森田芳子、若松夏美の各氏に師事。これまでに、「ザ バロック バンド」「バッハ コレギウム ジャパン」「オーケストラ シンポシオン」「コンヴェルスム ムジクム」「オーケストラ リベラ クラシカ」等に参加。

●山本 徹 やまもと・とおる (チェロ)
山本徹東京藝術大学を経て、同大学院古楽専攻を修了。チェロを土肥敬、河野文昭、北本秀樹、鈴木秀美の各氏に師事。また東京芸大バッハカンタータクラブにて、小林道夫氏の指導の下研鑽を積む。バッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・リベラ・クラシカなどのオリジナル楽器オーケストラに参加する一方、チャイコフスキーやショスタコーヴィチの協奏曲をオーケストラと共演するなど、オリジナル・モダン双方の分野で活動を展開している。2006年、第20回古楽コンク-ル〈山梨〉第2位。翌年には同コンクール実行委員会の推薦により、栃木・蔵の街音楽祭にてリサイタルを行った。2008年、第16回ライプツィヒ・バッハ国際音楽コンクール第2位。

(各演奏者から送られた原稿をそのまま掲載しています)

選曲と曲目に隠された秘密と謎 <1>

麻布飯倉 南葵楽堂に所蔵されていた南葵音楽文庫、なかでもカミングズ・コレクションに焦点をあてた日本初、いやたぶん世界初のコンサート開催にあたり、実行委員会の若手2名(ともに慶大大学院博士課程で音楽学を専攻)は、長時間かけてこの稀代のコレクションにふさわしい選曲に没頭しました。そればかりか大半の曲は、オリジナル資料から楽譜をあらたに作成しました。このコンサートは、演奏曲目や使用する版が日本初も多数含まれています。そこで、このような選曲になったワケ、各曲にひそんでいる謎や秘密を、ご紹介しましょう。
むろん詳細は、コンサート時のプログラム冊子にて紹介いたします。前回のコンサートのプログラムは、A4版で30ページほどになりました、今回も充実したプログラム冊子になるように、実行委員会で手分けして原稿を書くことになっています。

なぜヘンデルの間にスミスという、あまり知られていない作曲家がわりこんでいるのか。最初のベックウィスとは何者か、はやく紹介したい気持ちですが、次のメルマガで順次ふれるとして、今回はコレクターのカミングズとはどんな傑物かを紹介します。



William Hayman Cummingsウィリアム・ヘイマン・カミングズ William Hayman Cummings(1831-1915)は、演奏家、教育者、作曲家、研究者といった様々な顔をもち、多方面で活躍した人物でした。

少年時代のカミングズは、ロンドンの観光名所でもあるセント・ポール大聖堂の少年聖歌隊で歌っていました。チャールズ皇太子とダイアナ元妃の結婚式がおこなわれたところでもあります。7歳のとき(1838年)、大聖堂のオルガニストが亡くなると、その葬儀で歌ってもいました。
ところが後任のオルガニストは少年聖歌隊を冷遇、カミングズの父は、少年をテンプル騎士団ゆかりのテンプル教会の聖歌隊に入れます。1847年、彼はメンデルスゾーンの「エリア」を、作曲者自身の指揮によるロンドン初演で歌っています。
成人してもテノール歌手として、とくにその時代に代表的なオラトリオ歌手として活動しました。ほかに教会オルガニスとしての職務もこなし、声楽アンサンブルのメンバーとしてアメリカに演奏旅行をおこなってもいます。

彼の活躍は、教育者としても高名で、いくつもの音楽学校で声楽を教えました。なかでも王立音楽アカデミーの教授は17年間もつとめていました。この間、かずかずの音楽団体の設立、運営、指導をおこない、19世紀の最後の20年間、ロンドンの音楽シーンにあって重鎮となっていました。さらに、彼はパーセルやヘンデルの研究家として、この2人に関する著作をそれぞれのこしているほか、論文も多数あります。

次は作曲家としてのカミングズ。メンデルスゾーンの音楽に私淑していた彼は、その影響が色濃く表れた合唱曲や「妖精の指輪」といったカンタータを残しています。クリスマスに歌われる讃美歌第98番(あめにはさかえ)は、メンデルスゾーンによる原曲をカミングズが賛美歌に編曲した作品です。

最後が、コレクターとしてのカミングズ。彼は古い楽譜や音楽書のコレクションを19歳ではじめました。生涯をわたる蒐集は、ヴィクトリア時代最高の個人音楽資料コレクションとなりました。彼の死から2年後の1917年、コレクションはロンドンでオークションにかかりましたが、あまりに数が多かったため、オークションは数日間にわたりました。ワシントンの合衆国国会図書館がそのうちの59点を落札しました。徳川頼貞も購入を決断、なんと約400点を落札し、コレクションの大半が、日本にわたってきたのです。
今回のコンサートは日本にあるこのコレクションをもとに企画されています。

(この項 つづく

写真 ウィリアム・ヘイマン・カミングズ

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